熱帯魚の飼育の中でも比較的シンプルな環境で飼育する事が多いベタ水槽。
そんな環境であるにも関わらず、水槽内に糸状コケが発生する事があります。
そこで、ここではベタ水槽に糸状コケが発生する原因と対策を、ベタ水槽の環境ごとにご紹介します。
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そもそも糸状コケが発生する要因は?
この糸状コケという存在ですが、実は様々な要因で発生するかなり厄介な存在なのです。
糸状コケが発生する要因
- 水槽内の富栄養化
- 水中の二酸化炭素の過多
- 水中の二酸化炭素の過少
- 照明の長時間点灯
- 水流が強すぎる
- etc
糸状コケはこれらの要因のいくつかが揃うと発生するのではなく、いずれか一つでも当てはまると発生する可能性があるという何でもアリな苔となっているので、その原因を0から探し出すのは非常に苦労するのです。
ちなみに、糸状コケ自体は水質浄化の作用がありますので、量が増え過ぎなければ生体には害はありません。
シンプルなレイアウト&単体飼育の水槽
それでは早速、ベタ水槽の環境ごとに糸状コケが発生してしまう原因とその対策について紹介していきましょう!
まず一つ目に紹介する環境としては、ベタの飼育の際に最も多いであろう水草もソイルもなく(もしくは極小)、尚且つ単体飼育という環境の場合について。
シンプル水槽での糸状コケ発生の原因
こういったシンプルな環境でベタの飼育を行っている場合は、比較的糸状コケが発生する原因は絞りやすくなっています。
というのも、前述でご紹介した糸状コケの発生原因もある程度絞りやすい状況にあるためです。
まず二酸化炭素関連ですが、フィルターを設置していればその水流で水中に二酸化炭素が適度に溶けますので、これが原因になる事はありません。
次に水中の富栄養化についてですが、これだけシンプルな水槽であればベタの糞も見つけやすいので、排泄物の放置による富栄養化はありません。餌に関してもベタのみの飼育ですので、基本的に食べ残しが発生してしまう事はないでしょう。
生の餌(活餌)となると流石に水中に栄養分が溶け出しますので、このケースに該当する場合は食べ残しがなくてもエサが原因になっている可能性があります。
なので、シンプル水槽の糸状コケは基本的には照明の点灯時間が長いこととフィルターの水流が強すぎる事が原因になっていると考えて良いでしょう。
シンプル水槽での糸状コケ対策
原因が判明すれば、その後の対策としては非常にシンプルです。
もし、ベタ水槽を12時間以上照明をつけている場合は照射時間を減らす様にしましょう。もし、仕事の残業でギリギリになるという場合であれば、少しでも緩和するために出勤直前に点灯し、帰宅と同時に消灯という方法になるでしょう。もし、ブラック企業にお勤めで12時間じゃ済まない勤務時間の場合は、こういった商品に頼る必要も出てくるかもしれませんね。
また、ベタはもともと水流に弱い熱帯魚ですので、現時点で使用しているフィルターの水流が強すぎる場合は、良い機会ですのでフィルターの見直しをしても良いかも知れません。もちろん節約術として、フィルターの吐水口をスポンジなどで覆う事で少なく調整するという方法もありますので、無理に新調する必要はありません^^
混泳&多要因の水槽
続いては、一般的なベタ単体飼育水槽よりも大きめの水槽であり、ソイルや水草、そして他の種類の熱帯魚との混泳をさせている水槽の場合の糸状コケについて見ていきましょう!
この場合は、レイアウト一つとっても様々な要因が絡んでくる環境でもありますので、それだけに複雑なサイクルが生まれている状態です。
なので、前述のシンプルな水槽ほど簡単に糸状コケ発生の要因を見つけるのは容易ではないでしょう。
混泳&多要素水槽での糸状コケ発生の原因
こういった様々な役割を果たす生体が混在しており、入り組んだ水槽の場合は前述の通り生態系としても複雑なサイクルが発生しています。
しかも、そのサイクルは水槽ごとに異なっており、唯一無二の存在となっていますので、糸状コケの原因を絞ることも難しい状態にあります。
ただ、幸いなことに二酸化炭素の多い・少ないという項目に関しては、水草が植栽されている水槽であれば光合成と嫌気呼吸(水草が夜間に行う呼吸)が繰り返される事から、常にバランスが取れている状態ですので除外する事が可能です。
なので、他の水槽内の富栄養化・照明の長時間点灯・水流が強すぎるの項目に絞って考察する事が可能です。
混泳&多要素水槽での対策
この中で、照明の照射時間に関しては前述のシンプル水槽でもご紹介の通り、長時間照射になっている場合はその調整を行う事で解決する事が可能です。
水流に関しても、大きな水槽であれば水槽全体が洗濯機状態になる事は少ないでしょうから、フィルターの吐水口付近や水流が強く現れているエリアで糸状コケが多く見られる場合は、水流を弱める対策が必要になるでしょう。
また、水槽内の富栄養化に関しては、餌の量が適切かを見直し、糞の処理も適切に行う必要があるでしょうが、これに関しては少し複雑ですので補足も加えてご紹介しましょう。
餌の量を調整する
まず、餌の量に関しては基本的に1回の餌やりで食べ残しが発生しない様に調整する必要があります。
もちろん、コリドラスの様に地面におちた食べ残しを処理してくれる生体も導入されている場合は該当しませんが、餌の食べ残しが発生するとそれがそのまま水槽内を富栄養化に導く事になります。
なので、餌やりの際は水面〜水槽中腹あたりで9割ほどの餌が食べきられる程度に抑える事が理想的でしょう。
糞の処理について
続いて、糞の処理についてですが、ベタのシンプル水槽ではソイルも無く、ベタの糞自体が塊で落ちているので目視が容易で処理が簡単です。
しかしリッチ環境の水槽では、ソイルや水草の隙間に糞が隠れてしまいます。
この糞がそのまま放置されれば水中の富栄養化が進みますし、生体に有毒なアンモニアなども水中に溶け出してしまいます早々に処理したいところですが、こういった環境下での糞を手軽に使えるスポイトなどで物理的に除去する事は難しいです。なので、基本的には主にバクテリアの力を借りることになります。
ただし、バクテリアの浄化・分解能力にも限界がありますので、定期的にプロホースなどで糞を水槽外に出してしまう必要があるでしょう。
ベタ水槽の糸状コケの対策:番外編
以上が、ベタ水槽に糸状コケが発生する原因と対策のご紹介となります。
基本的に糸状コケを殲滅するには、その原因を究明する事が一番重要な事になりますので、まずはそこから始めるべきでしょう。
ただ、例外的にこの様な面倒なことを行わなくても、糸状コケを無くす方法が存在します。
それは、ベタ水槽にミナミヌマエビを導入するというものです。もちろんベタは個体の性格にもよりますが、ミナミヌマエビを餌と認識して食べてしまう事がありますので、この方法を利用できるのは飼っているベタがミナミヌマエビを捕食しない子であるという条件があります。
確率的にもこの方法が取れるベタは少ないかと思いますが、可能な場合は簡単に糸状コケ問題を解決できますので、試してみる価値はあるでしょう^^
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