水槽にリリィパイプ風のガラスパイプを使われているアクアリストは多いと思います。
それもそのはず、この手のガラスパイプは見た目が非常に綺麗な為、水槽をより良く見せる事が可能です。
しかし、そんなガラスパイプの見た目は、内部のコケや汚れの発生で一気に景観が損なわれてしまいます。
加えてガラスパイプの内径は比較的狭いので、綺麗に掃除する事も難しい構造になっています。
そこで今回は、そんなガラスパイプの内部を綺麗に掃除する方法を2段階に分けてご紹介したいと思います。
ガラスパイプの掃除が難しい理由
そもそも、どうしてこういったガラスパイプの掃除が難しいのか、まだ掃除をした事がない方やこれから購入を考えている方の中にはイメージしづらい方もいるかと思います。
なので、まずは簡単にガラスパイプの掃除が難しい理由をご紹介します。
パイプ内部の掃除が出来ない
ガラスパイプの掃除が難しい理由の一つに、汚れのたまる場所が関係しています。
というのも、ガラスパイプの外側の汚れに関しては、そのまま掃除に使えるスポンジなどで簡単に拭き取る事ができます。
しかし、ガラスパイプの目立つ汚れの多くは基本的にパイプの内部に蓄積されていきます。
これの掃除が非常に難しいのです。
こういったガラスパイプはほとんどの場合、内径が小さい造りになっていますので指一本すら入れることが出来ません。
その為、パイプ内部の掃除は通常の方法では行う事ができないのです。
カーブが厄介
そんな内径の小さいガラスパイプですが、さらに掃除しにくい要素が残っています。
それがカーブとその先のエリアです。
パイプの入り口付近に関しては、後述しますが何とかして綺麗に掃除する事が可能です。
しかし、その奥にあるカーブやカーブの先にあるエリア(吸水口付近)に関しては、棒状の物を用いたとしても届かず掃除する事ができないのです。
なので、通常とは異なる方法での掃除が必要となります。
第1段階:直線部分や排水口
まずは、前述でも紹介している様に、比較的掃除が簡単な部分の掃除方法をご紹介いたします。
具体的な部位としては、排水・吸水のパイプの入口と排水の出口(排水口)の2箇所となります。
パイプブラシで一網打尽
ガラスパイプのこの2箇所の掃除に関しては、パイプブラシを使う事で汚れを一気に取り除く事が可能です!
洗剤などを使用する事なく、単にガラスパイプの入り口からブラシを突っ込んで2〜3回スライドさせるだけで新品に近いピカピカ状態にすることが出来るのです。
ただし、この方法で掃除を行う場合は、用意するパイプブラシの素材が金属類ではない素材のものを用いる様にしましょう。
もしガラスパイプを金属製のブラシで掃除したら、内面が傷だらけになったりそのまま割れてしまう危険性もあります。
なので、パイプブラシは必ずある程度は軟性のある素材のブラシを使用する様にしましょう。
長細いスポンジでも可能
基本的にパイプブラシで簡単に汚れを落とす事は可能ですが、長細いスポンジ又は長細いメラミンスポンジでも代用は可能です。
スポンジ系での掃除はブラシに比べて汚れが落ちにくいというデメリットはありますが、ガラス面に傷がつきにくいというメリットもあります。
なので、そういったアイテムを用意できる場合は、ブラシじゃなくても掃除に用いる事が可能です。
ただ、昔は100均でそういったアイテムが売られている事を見た事があるのですが、ここ最近はいくつかの100均店舗を回ってみても使えそうな細さのスポンジ系道具が置かれていないので、もしかすると入手自体できなくなっている可能性もあります。
第2段階:カーブ部分
続いては、一番掃除が難しい部分であるカーブとその先のエリアの掃除方法について。
このカーブやその先のエリアに関しては、「バネ式で自在に変形するタイプのパイプブラシがあれば掃除も簡単ではないか?」と思われる方もいるかと思います。
しかし、そういった商品であっても実際にガラスパイプに使ってみると、カーブの中腹までは何とか進めるものの、その先の360度方向転換する部分で曲がりきれなくなってしまうのです。
というのも、そういった商品の自由に向きを変える事ができる部分は持ち手の部分だけであって、ブラシが付いている先端部分に関してはブラシを固定する為かむしろ硬くなっているのです。
その為パイプのカーブ部分を曲がり切る事が出来ないのです(汗)
なので、基本的には別の方法でアプローチする必要があるのです。
薬品に頼ろう!
そこで、登場するのがキッチンハイターです!
正直、アクアリウム用品にキッチンハイターなど生体に影響を与えかねない薬品を使用するのは心配ですが、使用後にしっかりと薬品を洗い流していれば問題はありません。
そしてこのキッチンハイター、ガラスパイプ内のコケや汚れに非常に効果があるのです。
なので、このハイターをパイプの中に注いで30分ほど放置すれば、ほぼ完璧に近い状態にする事が可能です!
具体的な掃除方法
キッチンハイターが効果的な話はしましたが、実際にどの様に使用するべきかも併せてご紹介したいと思います。
排水パイプ
まず、排水側のパイプの場合は両サイドの入口・出口付近は前述でご紹介のパイプブラシで掃除する事が出来ますので、残るはカーブ部分のみとなります。
この場合のハイターの使い方は簡単で、片方のパイプの入口からハイターを流し込み、上記の写真の様な向きのまま洗面台などに立てかけておけば、それだけで勝手に汚れが分解されていきます。
後は、入念に水洗いして完成です。
汚れが大量にある場合
ちなみに、汚れの量が多かったり汚れの層が厚くなっている場合は、ハイターでも少し手こずる事があります。
その場合は、ハイター注入から少し時間が経ってから、ガラスパイプを矢印の方向に少し揺らしてあげると、ハイターの移動による小規模な水流が中で起きて汚れの塊を移動させる事ができます。
これを行う事で、汚れの厚い層でハイターが当たっていなかった部分にも接触させる事が出来ますので、ムラなく綺麗に汚れを分解させる事ができる様になります。
吸水パイプ
次に吸水パイプ側の具体的な掃除方法について。
こちら側のパイプもカーブ部分は上記の方法で綺麗にする事が出来ますが、吸水口付近はさらに厄介です。
ハイターを貯めようにも穴が空いてるので、注いだ瞬間に漏れてしまいます。
なので、こういった場合にはバケツなどに少量の水を張り、そこに吸水口が下になる様にガラスパイプを入れ、そしてハイターをガラスパイプ内に入れていくのです。
こうする事で、多少はハイターが水に漏れ出るでしょうが、ある程度の濃度は保ったハイターがガラスパイプ内部に残り汚れを分解してくれます。
まとめ
以上のことから、アクアリウムのフィルターに使用しているリリィパイプなどのガラスパイプの掃除には、以下3点があれば簡単に綺麗にする事が出来るのです。
ガラスパイプに必要な道具
基本的にこの方法で掃除するのが一番確実ではありますが、やはりハイターを使用する為多少の時間はかかってしまいます。
そして、その間は水槽内の濾過システムは停止してしまいますので、ヒーターの熱が1箇所に溜まってしまっていないかなどの確認はした方が安全でしょう。
後は、清掃後の水洗いをしっかりと行っていれば、私が試した事がある掃除方法の中で一番効果のある方法ですので、ガラスパイプの掃除にお悩みの方は参考にしていただければと思います。
備考
私は過去に吸水側のガラスパイプを割った事があります。
一度目はカーブ部分に無理にパイプブラシを突っ込んだ時、そして二度目はハイターで汚れを落とし切った後の水洗いの際に誤って落としてしまった時です。
この記事で吸水側のパイプの写真がないのはその為です。
なので、皆様はガラスパイプを扱われる際は、細心の注意を払いながら作業される事をオススメします。