アクアリウムなどを自宅に水槽を置かれている方の大半は、コケ問題で悩まされた経験があると思います。
コケが大量発生してしまうのには、環境による原因に加えて飼育方法による要因が原因となっている事もあります。
そこで今回は、コケが水槽に発生してしまう原因の中でも、飼育方法に関するものについてご紹介いたします。
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餌の量は適切か?
まずは、餌の量が適切かどうかという点について。
餌とコケの関係
コケは水中の栄養分を吸収して増殖する傾向があります。
なので、餌の食べ残しが水中に溶け出してしまったり、餌の食べ過ぎにより熱帯魚などの生体から平均よりも多く排泄物が出されてしまうと、それもまたコケが増殖する原因となってしまいます。
1回に与える餌の量
餌の時間に与える餌の量ですが、基本的には熱帯魚などの生体が直ぐに食べ切れるだけの量を与えるのが適切です。
もちろん、コリドラスなど底に沈殿している餌を食べる生体を飼育している場合は、その子の分も考慮する必要はありますが、だからと言って多めに餌を与え過ぎてしまうと今度は高水位あたりを遊泳する熱帯魚が食べ過ぎになってしまい、排泄物が増加してしまいます。
なので、1回に与える餌の量は直ぐに食べ切れる量に調整し、コリドラスなどの底面付近で餌を食べる生体がいる場合は、餌を放流する場所を水面ではなく水中の真ん中あたりの高さにする事で、両方の水域の生体に餌を行き渡らせる事が可能です。
1日に与える餌の回数
次に、1日に与える餌の回数について。
これは1回の餌の量が少ない場合は1日に数回ほどに分けて餌やりする事も可能です。
しかし、1回の餌の量がそこそこの量である場合は、1日に何度も餌を与える必要はありませんので、1日1~2回ほどで大丈夫です。
死んでしまった生体は処理できているか?
熱帯魚などの生体を飼育していると、どこかのタイミングで必ず死んでしまう個体が出てきます。
その際に、素早く死体の処理が出来るかどうかでも、コケ発生に影響を与える事があります。
死体からは栄養素が漏れ出す
熱帯魚やエビなどの死体は、環境によっては徐々に分解されて骨だけになっていく事もあります。
しかし、水槽という限られた空間内での分解作用には限界がありますので、分解に時間がかかっている間にどんどん死体から栄養分やアンモニアなどが漏れ出してしまいます。
これらは即バクテリアに分解される場合は特に問題ありませんが、そこまで強力高速な分解が難しい環境下ではコケの発生を促進させてしまう原因になりかねないのです。
取り除いた方が賢明
こういった生体の死体は、ミナミヌマエビやヤマトヌマエビ、他にもオトシンクルスなどの雑食系の掃除生体を導入している水槽であれば、放置していても彼らの餌となるケースもあります。
自然界でも同じ様な事がおきますので、これはこれで自然の流れに任せれる事ができて良い事だと思われるかもしません。
しかし、今回のコケ対策としては、やはり一口で丸呑みしてくれる生体でもいない限りはどうしても内部の栄養分が水中に溶け出してしまいますので、良策とは言えません。
熱帯魚や生体の数は適切か?
熱帯魚にハマってしまった方であれば理解いただけるかと思いますが、熱帯魚は一度買い出すと「あの種類も」「この種類も」とどんどん新しい子を迎えたい衝動に駆られてしまいます。
もちろん、飼育している水槽が大きくて飼育数に余裕がある場合であれば問題ありませんが、そこまで大きくない水槽内にどんどん熱帯魚などの生体を追加していくと、外見的にはキラキラしていてかなり綺麗に見える様になります。
しかし、その実情は水槽内のバクテリアや濾過フィルターでは浄化しきれないスピードで水が汚れていってしまい、どんどん生体にとって悪い環境になってしまいます。
そうなってしまうと、その環境を浄化するために自然の摂理が働き、コケがどんどん増殖していくという事態に陥ってしまうのです。
なので、これを防ぐためには水槽の大きさに対して適切な生体数をキープする必要があるのです。
基本的には水量1Lにつき体長1cmの魚を1匹が適切だと言われています。
フィルターの規格は水槽に合っているか?
前述の飼育数にも関係してくる要因ではありますが、水槽の大きさに合った濾過フィルターを使用できているかどうかも、コケ対策には欠かせないポイントです。
例えば、かなり大きな水槽にかなり大量の生体を導入しているとなると、その水槽内の飼育水をある程度循環させられる水量が必要になります。
水量が必要となると、それなりに大きさ・パワーのあるフィルターが必要になってきますので、自然と選ぶべきフィルターの規格も判断できる様になります。
しかし、ここで間違った節約として超小型のフィルターを導入してしまうと、水槽の大きさ次第では全く濾過が追いついていなかったり、止水域(流れがない水域)ができてその場所から藻が発生したりと生体にとっても悪い影響が出やすくなります。
なので水槽に合った濾過フィルターを導入する事は、思った以上に重要なポイントとなっています。
過剰濾過について
ちなみに、小さな水槽に対して大き過ぎる濾過フィルターを設置される方もいます。
そうすれば、当然濾過能力が格段に向上しますので、多少過密気味に生体を導入しても大丈夫ですが注意点が2つあります。
一つは、大きい濾過フィルターですのでその分水流が強くなる事が多く、そのせいで水槽内が洗濯機状態になってしまわないかどうかという点。
これは止水域が出来ようもないので何も生活していない環境であれば問題ありませんが、実際は生体が水流に流されない様にずっと泳ぎ続ける、もしくは踏ん張り続けなければいけなくなりますので、ほぼ間違いなく体力が低下して死にますので止めましょう^^;
そしてもう一つは、水量に対してバクテリアが増え過ぎて水槽内が酸欠気味にならないかという点です。
これに関しては濾過フィルターの排水口を水面ギリギリに設置して、出来るだけ空気を含ませながら排水させる事で解決が可能です。
フィルターの清掃方法は適切か?
コケ対策の最後のポイントとしては、濾過フィルターの掃除方法が適切かどうかという点です。
フィルター掃除のNGポイント
濾過フィルターは、ものによりますが半年に1回ほどのペースで掃除が必要になります。
が、その際にフィルター内部のろ材などを全て新品に変えてしまったり、ろ材などを蛇口から出たての水道水で洗ってしまうと、そこに定着していたバクテリアが丸ごと居なくなったり水道水の塩素で全滅してしまうのです。
こうなってしまうと、せっかく増殖したバクテリアもまた一から増殖させる必要が出てきますので、バクテリアの量が安定するまでは水槽内の浄化作用が弱まったままになってしまうのです。
正しい濾過フィルターの清掃方法
濾過フィルターの清掃方法は基本的に以下の3つのポイントを守るだけで大丈夫です。
- ろ材は再利用
- 洗剤は使わない
- 飼育水やカルキ抜きした水で洗う
このポイントを守るだけで、そのフィルター内に定着しているバクテリアが急激に減少する事がなくなりますので、清掃後も以前と同レベルの浄化作用を維持する事ができます。
ろ材を交換する場合
なお、この濾過フィルターで使用していたろ材も永久的に使用できるものではありません。
水槽内の汚れ度合いにもよりますが、徐々に目詰まりを起こしてバクテリアに酸素が行き届かないなどの弊害が生じてきます。
そうなると逆に水質を汚してしまう可能性も出てきますので、ろ材を新品に変える必要があります。
そこで使用したいのが、市販のバクテリア液です。
新品のろ材に0からバクテリアを定着させようとすると、どうしても時間がかかってしまい、その間に飼育水の水質が悪化してしまいます。
なので、定着までの時間を少しでも短縮させるために市販のバクテリア液を使用する事で、元の状態に戻るまでのスピードを向上させる事ができるのです。
飼育方法におけるコケ対策まとめ
以上が、熱帯魚などの飼育方法でできる水槽内のコケ対応の方法となります。
地味にチャックポイントが多いので「全部は無理」と思われるかも知れませんが、一度慣れてしまえばそれが当たり前に感じる様になりますので負担に感じる事はないでしょう。
あとは、環境を整えてあげればコケに悩まされる事もなくなりますので、綺麗な水景を維持する事ができるでしょう^^
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