熱帯魚の中でも、ひときわ存在感のあるベタ。
人懐っこい性格の割に、意外と気性の荒い性格を持っているこのベタですが、飼育に関してはいくつかの注意点さえ守ればかなり簡単な種類に分類されるのです。
そこで、ここではベタの飼育方法や注意点についてご紹介いたします。
ベタはどんな熱帯魚?

うちのベタ君(水草に刺さって寝るという変な習性を持っています)
東南アジアの川(汽水)が原産となっていて闘魚としても知られているベタですが、まずはそもそもの話ベタがどのような熱帯魚なのか、その特徴などをご紹介していきたいと思います。

空気中から呼吸する
一般的に熱帯魚に限らず多くの魚はえら呼吸という水中から酸素を取り込む呼吸を行います。
これに対して、ベタの場合はこのえら呼吸に加えて、水面上から直接空気を取り込んで呼吸する事が可能なのです。
これはベタが持つラビリンス器官という特殊な器官があるために可能となっており、グラミーなどの一部の熱帯魚も同様の器官を使って空気中から直接酸素を取り込む事が可能となっています。
売られているベタのほとんどがオス
ホームセンターなどのペットエリアで、よくベタが売られているのを見かける事があるでしょう。
非常に綺麗な形状で、インテリア性も秘めているベタですが、実はそれらのベタのほとんどはオスなのです。
というのも、様々な形状で大きなヒレというのはベタのオスの特徴でもあり、ベタのメスの場合は結構こじんまりとした姿なのです。

イメージとしては、ベタの優雅なヒレを全てカットした様な姿がベタのメスなのです。
ベタの寿命について
ベタの寿命は、もちろん環境によっても前後しますが、おおよそ3年ほどとされています。
ちなみに、ここで勘違いが起きやすいのですが、これは生まれてから3年間という意味ですので、お店で購入してからはもっと短くなりますので、その点は注意しましょう。

ベタの種類はかなり多い
ベタには様々な形状の種類が存在しています。
実はそれらには全て名前が付いていて、かなりの種類が存在しているのです。
- ワイルドベタ:野生種。この中で更に50種以上が存在
- トラディショナル:一般的なベタで、もっとも安価な種類
- プラカット:闘魚としての性質を強く出る様に品種改良した種類
- ハーフムーン:尾びれが半月の様に開くショーベタ
- ダブルテール:背びれが大きく、尾びれが3つに分かれている
- フルムーン:ヒレが満月の様に開く種類
- スーパーデルタ:尾ビレの開度が120~180度未満の種類
- クラウンテール:ヒレを開くと王冠の様に見える種類
- etc

ベタの飼育方法
それでは、ここからはベタの飼育方法について解説していきたいと思います。
冒頭でも少し触れていますが、ベタは他の熱帯魚と比べてかなり飼育が簡単な種類となっていますので、その辺りも見ていきましょう!
エアレーションは不要
まずは、前述でもご紹介の通り、ベタはラビリンス器官という空気中から直接酸素を取り込める器官を持っていますので、エアレーションの装置は不要となります。
寝室などに水槽を設置される場合は、エアレーションの音は人間にとって結構ストレスになる事が多いので、そのエアレーションがなくても飼育できるという点はかなり嬉しいポイントになるでしょう。
省スペースでも飼育は可能
ベタは「ワイングラスで飼える熱帯魚」と言われる位の熱帯魚ですので、15cm水槽の様な超小型水槽であっても飼育が可能です。
本当にワイングラスで飼うと早死にの原因になりますので、しっかりと水槽を用意しましょう。
ベタはとにかくヒレが大きいので、旋回する際にガラス面に当たりまくる様な狭っ苦しい水槽でなければ大丈夫です^^

水質悪化に強い
そしてベタはかなり水質悪化に強い熱帯魚です。
もともと東南アジアの、(失礼ですが)汚い川などで生息していた熱帯魚ですので、ある程度の悪い環境でも死なずに生きていける強さを持っています。
とは言え、水質が良いことに越したことはありませんので、綺麗な環境を保ってあげれる様にしましょう。

ベタの飼育に用意するもの
以上の事から、ベタの飼育のためには最低限で考えても、以下の用品のみの準備で事足りてしまうのです。
水槽 | 餌 |
カルキ抜き | ヒーター |

ちなみに、以下の用品も加えると鑑賞用としては十分観れるレベルの水槽になります^^
照明 | ソイル(土) | バクテリア |
あとはお好みでレイアウト用品(流木や石)や水草を入れてあげると、見栄えのあるベタ水槽を完成させる事が可能になるでしょう。
ベタの飼育の際の注意点
最後に、ベタの飼育においての注意点についてもご紹介しておきましょう。
ベタの飼育は簡単であると紹介しておりますが、例外的にNGとされる項目も存在していますので、それらは必ず回避する様にしましょう!
混泳には注意
まずは、ベタとの混泳について。
一度、記事内でも触れていますがベタは闘魚としての性質を持っていますので、基本的には気性の荒い熱帯魚に分類されます。
もちろん全ての熱帯魚に対して攻撃を仕掛けるわけではありませんが、ベタ同士で混泳させてしまうとどちらかが死ぬまで戦ってしまう事もあるのです。
また、ベタのオス同士じゃなくても、ベタの形状と似ているグッピーのオスにも攻撃を仕掛ける事がありますので、そこも混泳は避けるべきでしょう。
他にも、水槽の掃除役として導入される事が多いミナミヌマエビですが、こういった小型のエビはベタの餌になってしまう可能性が高いので、基本的には混泳NGです。
水流に弱い
続いては、水槽の水流について。
ベタはその大きなヒレの影響で、実はそこまで泳ぎが上手ではないのです。
なので、強い水流がある水槽では、その水流によってヒレが流されてしまい体力がどんどん削られてしまうのです。
その様な環境では下手をすると数日で死んでしまう可能性もありますので、ベタの水槽には水流を作らない、もしくは止水域を設ける様にしましょう。
繁殖は難しい
次に、ベタの繁殖に関する注意点です。
ベタは前述でもご紹介の通り他の熱帯魚に対して攻撃を仕掛ける事が多い熱帯魚であり、それはベタのメスにも及ぶ事が多いのです。
なので、繁殖のためにと同じ水槽にベタのオスとメスを混泳させていると、オスがメスを攻撃しまくって死なせてしまったり、逆にメスに攻撃されてオスの綺麗なヒレがボロボロになってしまう事もあるのです。
また、ベタの繁殖にはオスが水面に作る泡巣で卵から孵す事になりますので、水流が強い環境だとその泡巣が流されてしまいますので、繁殖させたい場合にも強い水流はNGとなります。
便秘気味
最後に、ベタはかなりの大食漢なのですが、便秘になりやすい性質を持つ熱帯魚でもあります。
餌をあげると気持ち位にバクバク食べてくれますので、嬉しくなって餌をあげすぎると便秘によってお腹がパンパンになってしまう事もあります。
死因=便秘なんて情けない理由で死なせたくなければ、餌の量は適度に調整してあげましょう^^;

ここで紹介している内容さえ守れば基本的にベタを死なせてしまう事はありませんので、これからベタを飼おうと検討されている方は是非参考にしていただければと思います。