「熱帯魚を飼いたい!」と思った瞬間、生体(熱帯魚)に加えて水槽やら餌やらを全て一緒にショップで買い揃えたいという方は意外と多いでしょう。
私も思い立ったら即行動派ですので、その気持ちはよく分かりますが、実はこの行動はアクアリウムにおいてはNG行動にあたるのです。
そこで、今回は熱帯魚の飼育を開始するための手順についてご紹介いたします。
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熱帯魚飼育までの簡単な手順
それでは、まずは0の状態から熱帯魚の飼育を開始するまでの手順を簡単な表でご紹介していきましょう!
1 | 生体(熱帯魚)以外の道具を買い揃える |
2 | 実際に飼育を行いたい場所に水槽を設置し、レイアウトを完成させる |
3 | 実際にカルキ抜きした水を入れてバクテリアを入れる |
4 | パイロットフィッシュを導入 |
5 | 1〜2週間ほど放置 |
6 | 熱帯魚の導入 |
以上が簡単にまとめた熱帯魚を水槽に入れるまでの流れとなります。
この様に、本来であれば水槽を立ち上げてから本命の熱帯魚を入れるまでにはバクテリアの定着に要する期間として1〜2週間ほどかかりますので、間違っても水槽と一緒に熱帯魚を購入しない様にしましょう。
【バクテリア定着まで待てない!】最速で熱帯魚を水槽に入れる方法
立ち上げたての水槽にはバクテリアが定着していませんので、すぐさま熱帯魚を導入してしまうと数日で熱帯魚が死んでしまう危険性が出てくるのです。 なので、通常は水槽を立ち上げてから2週間程度経ってから、熱帯 ...
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水槽立ち上げから数週間時間をおく理由
続いては、なぜ上記の様な順番で熱帯魚の飼育を開始する必要があるのかの理由について、具体的に紹介していこうかと思います。
折角の熱帯魚飼いたい欲を抑えてまで数週間待たされるのには、生体導入後に熱帯魚を死なせないための理由がありますので、是非とも理解していただきたい部分でございます。
熱帯魚と水槽を同時に購入してはいけない理由
まずは、そもそもの話、熱帯魚と水槽を同じタイミングで購入してはいけない理由について。
これには熱帯魚の飼育が初めての方には知らない方が多い項目で、バクテリアが関係してくる内容なのです。
熱帯魚の飼育と聞くと、「適温の水さえあれば大丈夫」と思われるかもしれませんが、彼らも生き物ですので食事もしますし排泄もします。
そしてその排泄物からは熱帯魚にとっても有害になるアンモニアを発生させますので、放置しておくとどんどん水中のアンモニア濃度が高くなり熱帯魚が次々と死んでしまうのです。
しかし、このバクテリアが定着している環境下においては、バクテリアが熱帯魚の排泄物を分解してくれる事により、アンモニアの発生を抑えてくれるのです。
そして、そのバクテリア定着までの期間として1〜2週間という期間が必要になるので、これが熱帯魚と水槽を同じタイミングで購入してはいけない理由となっているのです。
バクテリアの導入について
ここで必要になるのが、バクテリアを含む商品も水槽と一緒に購入しておくことです。
現在、バクテリアが含まれているソイルだったり石(レイアウト)や、バクテリア溶液という水槽内に数滴入れるだけと言った商品も販売されていますので、基本的にバクテリアの入手に関しては難航することはないでしょう^^
バウテリア導入の際の注意点
このバクテリアですが微生物とはいえ生物ですので、塩素(カルキ)が含まれる水道水の中では生きる事ができません。
なので、バクテリアを水槽内に入れる際には、その中の水はすでにカルキ抜きが済んでいる水になっている必要があります。
なお、カルキは水道水をバケツなどで汲んでおき2〜3日放置すれば抜けますが、100均などでも手に入るカルキ抜きを使えば数分でカルキが抜けた飼育水を作る事が可能です。
パイロットフィッシュの導入
次に、前述の「4」の部分でご紹介しているパイロットフィッシュの導入について。
パイロットフィッシュという言葉は、ほとんどの方がご存じないかと思いますが結構重要なポイントになるのです。
熱帯魚の飼育環境にはバクテリアの定着が必要とご紹介しましたが、このバクテリアにも餌となるものが必要で、その餌には熱帯魚などの糞が適しているのです。
しかし、本命の熱帯魚を導入できるのは1〜2週間後となっていますので、その間に餌を出す事ができる熱帯魚を導入する事ができません。
そこで活躍するのがパイロットフィッシュという魚で、多少の水質悪化には耐える事ができる丈夫な種類の熱帯魚のことを指すのです。
本命の熱帯魚を導入する前にこのパイロットフィッシュを導入することで、水槽内のバクテリアを増殖&定着させ、その後の水槽内の環境を安定させる事ができるのです。
パイロットフィッシュの種類
- アカヒレ
- ネオンテトラ
- コリドラス
- グッピー
- プラティ
例外:熱帯魚と水槽を同時に買えるパターン
以上が、通常の熱帯魚の飼育開始までに必要な手順とその理由となります。
上記の通り、本命の熱帯魚の購入は水槽の立ち上げから1〜2週間後になるという内容となっていますが、実はこれには例外が存在していたのです。
本命がパイロットフィッシュの場合
その例外とは、本命となる熱帯魚がパイロットフィッシュだった場合です。
というのも、パイロットフィッシュの中にはネオンテトラなどの鮮やかな体色で人気の種類も含まれていますので、元々ネオンテトラを飼いたかったと言った場合には、わざわざバクテリアの定着を待つ必要ないので、水槽と一緒に購入してしまって大丈夫なのです^^;
この場合でもバクテリアの添加は必要です。
他にも、コリドラスは水槽の底面の掃除役として活躍できますし、グッピーもカラフルで繁殖もしやすいことから、パイロットフィッシュだけでも見応えのあるアクアリウムを作る事が可能なのです。
我が家の水槽の場合
ちなみに、我が家の30cm水槽も上記と同じ様な状況となっています。
現在の生体
- カージナルテトラ (ネオンテトラの1種):4匹
- グッピー:2匹(現在は子供もいます)
- ゴールデンハニードワーフグラミー:1匹
- ミナミヌマエビ:7匹
- 石巻貝:2匹
水槽の立ち上げ直後はカージナルテトラ とグッピーのみで飼育を開始し、1ヶ月経過したあたりからミナミヌマエビやグラミーを追加するといった順番となっています。
もちろん、しっかりと順番を守りバクテリアも定着していますので、この間に水質悪化で死亡した生体は0です^^
まとめ
基本的に、熱帯魚と水槽は同時に買わずに、飼育を開始できる環境すなわちバクテリアの定着が完了してから本命の生体を購入する様にしましょう。
ただし、本命の生体がパイロットフィッシュとしても活躍できる種類の熱帯魚だった場合は、水槽の購入と同じタイミングで購入してしまっても問題はありません。
もちろんその場合であっても、バクテリアの添加は必要になりますし、同時に購入したものの水槽の設置や立ち上げに時間がかかってしまうとその間に生体が弱ってしまいますので、迅速に行動しなくてはいけない状況ではあります。
そういった事も加味するのであれば、一番安全な方法としては、やはり先に水槽を購入して熱帯魚をお迎えできる環境を整えてから生体購入を行う順番が理想的と言えるでしょう。
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