10月も残り少なくなってきて、朝晩の気温が10℃近くを推移するようになってきました。
これ位であれば屋外飼育のメダカ達も大丈夫ですが、氷点下近くまで気温が下がってくると弱い個体はそのまま越冬できずに落ちてしまう可能性があります。
そこで、本格的な冬がやってくる前にメダカのビオトープにビニールハウスを設置して、水温をどれ位保つことが出来るのか、実際に検証してみたいと思います。
最近は朝晩ひえるから、メダカのビオトープ用にビニールハウスを購入。 pic.twitter.com/Tn5C9MRqEw
— ハリー@アクアリウム (@harryaqua_jp) October 22, 2020
ビニールハウスで水温を保てるか実験
それでは早速、室外に設定しているメダカのビオトープにビニールハウスを設置する事で、本当に水温の低下を防ぐことが出来るのか検証していきたいと思います。
10/22:くもり
まずは10月22日の曇りの日に計測した結果からご紹介しましょう。
ビニールハウスは晴れの日に(日の当たる場所に設置していれば)大きく効果が発揮されるものですので、曇りの日の保温効果にはあまり期待ができないと予想していました。
が、数値としては外気温が20℃に対して、ビニールハウス内に入れているビオトープの水温は22℃と若干ではありますが保温に成功している様に見えます。
ただ、この数値は通常時でもあり得る誤差の範囲かと思われますので、引き続き計測を継続していこうと思います。
10/24:晴れ
この日は晴れで、朝から気持ちの良い日差しが差し込んでいました。
そしてこの日の午前中は外気温は19℃であるのに対して、ビニールハウス内の水温は22℃と+3℃という結果になりました。
前回の計測の時もそうでしたが、ビニールハウス内は外気温よりも2〜3℃高いという数字になっていますので、真冬でも同じ位もしくはそれ以上の保温をしてくれるとありがたいですね^^
次回はもっと寒い日に計測してみたいと思います。
10/27:曇りのち晴れ
この日は朝の7時に計測した温度で、外気温12℃に対しビニールハウス内の水温は19℃となっていました。
水温が20℃を下回っていましたが、外気温よりも7℃も高く保温する事が出来ていましたので、確実にビニールハウスによる保温効果が出ていると言える結果となりました。
まだまだ検証回数が少ないですが、ここまでの数字からは外気温が低くなればなるほど、ビニールハウスの保温効果が発揮されるという結果となりました。
特に今回の計測ではまだ太陽光が十分に照射されていない時間帯での計測で、外気温との差がここまで出す事が出来ていますので、真冬でも一定の効果が期待できる事でしょう。
ビニールハウスを設置するメリット・デメリット
続いては、ビニールハウスをメダカのビオトープに設置することによるメリットと、実際に設置して初めて実感したデメリットについても併せてご紹介していこおうと思います。
メリット
まずはビニールハウスを設置するメリットについて見ていきましょう。
水温の低下を防げる
これはそもそもビニールハウスの導入をするきっかけとなった部分でもありますが、やはり冬場の水温低下を防ぐことが出来るのは大きなメリットと言えるでしょう。
もちろん、弱い個体がいないビオトープであればそのままでも越冬出来るでしょうが、現状我が家のビオトープにはまだ生育しきっていない小さな個体もいるので、出来るだけ全員揃って春を迎えたいところです。
水の蒸発を防げる
ビニールハウスのメリットは実は水温関係だけではありません。
案外知られていない、というか私も知らなかったのですがビニールハウスを設置していると、ビオトープの水の蒸発量を抑えることが出来るのです。
というのも、ビニールハウスを設置するとその中の空間は密閉に近い状態になります。
なので、ビオトープから蒸発した湿気がその空間に留まり、湿度が大きく上がります。
そうなると、それ以上水分が蒸発しにくい環境になり、結果的に蒸発による飼育水の減少を抑えることになります。
ゴミから守れる
3つ目のメリットは当然と言えば当然なのですが、外から飛んでくるゴミやホコリから守ることが出来ることです。
特に我が家のようにベランダにビオトープを設置している場合、そのすぐ近くに洗濯物を干すことになります。
そうすると、乾いてきた洗濯物から埃などが飛び、それがビオトープの水面に落ちてしまうということが多々ありました。
しかしビニールハウスを設置することで、そういった飛来物からビオトープを守ることが出来る様になったのです。
デメリット
続いては、ビニールハウスを設置することで思わぬデメリットが発生してしまった点についてご紹介いたします。
ベランダが狭くなった
自業自得といえばそれまでなのですが、ビニールハウスを設置することでベランダが非常に狭くなりましたw
前述でも少し触れていますが、我が家ではメダカのビオトープを洗濯物も干すことが出来るベランダに設置しています。
そこに、体積の大きなビニールハウスを設置すれば必然的に人間が動けるスペースは狭くなり、洗濯物を干す際に動けるスペースが小さくなってしまったのです。
メダカが警戒し出した
2つ目のデメリットとしては、メダカが警戒モードに入ってしまったという点です。
これは意外だったのですが、今までは餌の時にビオトープの上に手が来れば多くのメダカが集まってきていたのですが、ビニールハウスを設置してからは逆にそこの方や水草の影に隠れる様になってしまったのです。
もともとメダカは目が良いので、外の景色の変化も感じ取れるのですが、まさかビニールハウスを警戒するとは思っていなかったので、思わぬデメリットに遭遇してしまった気分です。
曇って太陽光が入りにくい
3つ目のデメリットは、超快晴で外気温が高くなってしまうとビニールハウスの表面に水滴がついて曇ってしまうという点です。
それ自体は、ビニールハウス内の保温・保湿に成功している証拠になっているので問題ないのですが、そうなると今度は太陽光がビオトープ内に入りにくくなってしまいます。
これはメダカ自体に大きな影響を与えることはありませんが、水草の光合成が抑制されることになりますので、水草の成長不良や枯れてしまう原因になります。
なので、気が付いたタイミングで換気をしてあげる必要があります。
まとめ
以上のことから、屋外で飼育しているメダカのビオトープにビニールハウスを設置すると、水温を外気温よりも高く保つことができ越冬の厳しさを緩和することが出来ると判断することが出来ました。
もちろん、成魚で元気な個体であればビニールハウスをかけずともそのまま越冬することも可能ですが、小さな個体も混じっているビオトープであればビニールハウスを設置した方が確実に生存率は高くなります。
なので、少しでも安全に春を迎えさせたいという場合は、念のためにビニールハウスを設置しておく事も考えられる選択肢と言えるでしょう。
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