水槽の底床掃除で大活躍するプロホースは、アクアリウムのメンテナンス道具としては非常に優秀なアイテムです。
しかし、そんなプロホースには使用する上でいくつか注意点が存在するのです。
今回は実際に私も失敗してしまった内容も併せてご紹介しようと思います。
スポンサーリンク
水を吸い上げられない不具合?
プロホースの使用上の注意点の一つ目は、ポンプをいくら押しても一向にサイフォンの原理が働かずに、水を吸い上げられないというものです。
これは実際に私自身も購入から間もない時期に悩んでいた事なのですが、実はこれ商品の不具合や不良品が原因ではなく、使い方に問題があったのです。
具体的な現象
ポンプを押しているのに水を吸い出せないという状況ですが、具体的に説明いたします。
まずポンプを何度も押し込む事で、吸い込み口側のパイプの途中までは水槽内の水を吸い出す事ができます。
が、パイプ内の水位がその途中のラインからはポンプを押しても一向に進まなくなるのです。
最初は「商品が不良品なのか?」と勘ぐったりもしましたが、色々と試してみる内に自分のプロホースの使い方に問題がある事が判明したのです。
原因と対策
結論から言うと、水の吸い上げがうまくいかないのはホースを垂直ではなく少し斜めになった状態でポンプを押していた為だったのです。
というのも、このプロホースのポンプを押して水を吸い上げる事ができる仕組みとして、ホースに付いている2つの逆流防止弁があるのですが、その内の一つが吸い込み側のパイプに組み込まれていて、それが本来であれば水の逆流を防ぐ役割を果たします。
しかし、使用時にパイプを斜めにしてポンプを押してしまうと、この弁が半開き状態になり折角吸い上げた水が戻ってしまう原因になっていたのです。
なのでプロホースで水が逆流して吸い出せないという場合には、ホースを垂直に立てた状態でポンプを押す事で正常に水を吸い上げる事ができる様になるのです。
水草が抜けてレイアウトが崩れてしまう
プロホース使用時の2つ目の注意点としては、底床に溜まっている汚れを吸い上げると同時に水草も一緒に吸い上げてしまって、レイアウトが崩れてしまうことにあります。
元々この道具は低床であるソイルなどを吸い上げて、隙間にたまった老廃物やゴミなどを吸い出す事ができる物ですので、上手く使わないと掃除するだけで地形が若干変動してしまう代物でもあるのです。
レイアウト崩れが起きやすい水草
プロホースでレイアウトが崩れやすいといっても、全ての水草レイアウトでそれが起きやすいという事ではありません。
個人的に以下の3つの条件に該当する水草において、特にレイアウト崩れが起きやすいと感じています。
プロホースで抜けやすい水草
- 植えたてで根付いていない水草
- ニューラージパールグラスなど根が短い水草
- 密集していない前景草
まず、植えたての水草はしっかりと底床に根が張っていない状態ですので、少しの地形変動で水草本来の浮力が働いて抜けてしまう可能性が高いです。
次にニューラージパールグラスなどの水草ですが、これらの水草の特徴としては、元々根っこの長さが短く有茎草に比べて抜けやすいと言う特徴があります。そういった水草ですので、プロホースでソイルが動いてしまうと根っこの固定が外れて抜けてしまうのです。
そして3つ目の条件である密集していない前景草について。上記のニューラージパールグラスにも言える事なのですが、前景草と言えど密集して植っている場合は緑の絨毯状態になっていますので、プロホースで掃除してもそもそも底床(ソイルなど)が舞う事なく掃除する事ができるのです。反対に、密集していない場合は底床が舞い放題になりますので、それだけ抜けやすくなってしまうのです。
水草が抜けないプロホースの使い方
上記でご紹介の条件に該当する水草レイアウトがある水槽では、プロホースの通常の方法で底床掃除を行なってしまうと、水草が抜けてしまいレイアウトが崩れる可能性が高いです。
なので、そういった状況にある水槽の場合は、プロホースの使い方を少し工夫する必要があるでしょう。
そんな水草が抜けない方法は実際に私の水槽で実践している方法なのですが、とにかくプロホースの吸い込み口を底床に接触させない事に徹するという物です。
まず、サイフォンの原理が働くまでのポンプをプッシュする段階では、底床近くではなくどちらかと言えば水面に近い位置で水の吸い上げを行う様にします。
そしてサイフォンの原理が作動し、自動的に水の吸い出しが始まったら底床近くでパイプの吸い込み口を底床に触れない程度の距離で、なおかつソイルが舞わない程度の速さで円を描く様にグルグル動かします。
こうする事で、レイアウトを崩さずに底床に溜まっているゴミだけ浮かせて、それをプロホースで吸い出す事ができるのです。
プロホースの取り出し時
プロホースの3つ目の注意点としては、水槽からプロホースを取り出し方についての内容となります。
これは実際に使用した事がある方じゃないとイメージしにくい内容なのですが、水槽からプロホースのパイプを抜く際にパイプ内の水が一気に水槽に戻り、パイプ内のゴミや汚れが水槽内に戻ったり水流で底床がえぐれてしまう事が起きるのです。
では、正しいプロホースの取り出し方はどの様な方法なのかという疑問に繋がるとは思うのですが、実は私が調べた限りでは「正しい取り出し方」というものは公式サイトでも記載がありませんでした。
なので、代わりに私が考えるまだマシと言えるプロホースの取り出し方をご紹介したいと思います。
手で物理的にブロック
まず一つ目の安全なプロホースの取り出し方について。
それは非常にシンプルな方法で、物理的にホースの先端(吸引口)を手で塞いでから取り出すという方法です。
この方法であれば、ホース内に残っている水が水槽内に逆流することを防ぐ事が可能となります。
ただし、注意点としては当然ながら手を離すとその水が一気に溢れてしまいますので、最新の注意を払って移動させないと部屋中水浸しになってしまうリスクがあると言うことです^^;
ホースの吸引口におたまをセットする
2つ目の方法は、ホースの吸引口におたまをセットする事で、一気に逆流した水流を一旦おたまにぶつける事で弱める事ができるという内容です。
個人的に飼育水の足し水の際にもおたまを水流を弱める為に使用していますので、この方法はオススメです^^
ただし、プロホースは継続的に水を吸い上げますので、ホースの先端が水面にあるうちはどんどん水を吸い上げてしまいますので、準備に手間取ってしまうと排水受けのバケツが溢れたりもしますので、なかなかにリスキーな方法ではあります(汗)
最大まで傾けて逆流を最小限に
3つ目の方法は、上記のおたま作戦を思いつくまでに行なっていた方法です。
それはパイプを水面から引き抜く際に可能な限りパイプの角度を傾けて、水面からパイプが出る瞬間に吸水口を上に向ける事で逆流する水量を最小限に抑えるという方法です。
この方法であれば多少の逆流は発生しますが、手も濡らさず他の道具も用意せずに問題を緩和する事が可能になります。
まとめ
他の記事でもご紹介の通り、プロホースは非常に便利な道具ですので、水槽内の底床掃除にはかなり重宝しています。
が、使い方には上記でご紹介の通り、注意点やコツが必要になる場面がいくつかありますので、実際に使用してこういった問題に直面されている方がいらっしゃいましたら、是非とも参考にしていただければと思います^^
スポンサーリンク