水槽のレイアウトとして水草を使用される方は多いかと思います。
しかし、水草の種類によっては、植えても植えても浮力でどんどん抜けてしまうと言う状況に陥ってしまいます。
そこでここでは、少しでも水草が浮かない様にするための小技をいくつかご紹介いたします。
水草が抜けてしまう原因
水草が抜けて水面に浮いてしまうと言う事態を避けるには、まず先にその原因について知っておく必要があります。
ただ、水草を植えても浮いてきてしまう原因というのは難しく考える必要はなく、非常にシンプルな理由からなっているのです。
水草には浮力がある
まず一つ目の理由は、水草には浮力があるためです。
「浮力がある」と言うのは、難しく表現するなら水よりも比重が高いと言う事ですが、簡単に言えば水よりも軽いので水よりも上に移動してしまうと言う事です。
植えても浮くのは固定力が弱いため
水草に浮力があるのは、経験上なんとなく理解できるかと思います。
なので、浮いてしまわない様にソイル(土)に植えて固定させているのに、それでも抜けて浮いてしまう事が多々あるかと思います。
これも単純にソイルに埋める事で固定させているものの、水草の浮力がその固定力(摩擦係数)よりも高いことから抜けてしまうのです。
水草が浮かない様にするコツと小技
基本的に、植えても植えても水草が抜けてしまう原因は上記の2点にあります。
つまりは水草が浮いてしまうことを防止するには、この2つの原因を排除できる要因を足してあげれば良いのです。
それでは、ここからは本題である水草を抜けない様にするコツと小技についてご紹介いたします。
深めに植える
まず一つ目のコツとしては、深めに植えると言う方法です。
「何を今更」と思われるかもしれませんが、これが結構重要で、変に気を使って根っこと茎の境がちょうどソイルの表面に来る様に植えていては、おそらく何度やっても水草が浮いてくるでしょう。
なので、基本的に水草の植栽の際には「こんなに深くて大丈夫?」と心配になるくらい深めに植えるようにしましょう。
ちなみに、ニューラージパールグラスの様に横に伸びてしまう様な高さのない水草の場合は、あまり深く埋め過ぎると地表に出てこれなくなりますので、1株のどこかの葉の部分が表面に出るくらいに留めて、あとは埋まってしまうくらいで大丈夫です。
斜めに植える
次に水草を植える際の小技ですが、縦に植えるのではなく少し斜めにして植えると言う方法があります。
この方法は、水草が浮いてしまう上に向かっている浮力をソイルが上から下へ押さえ込む様にすることで、より大きな摩擦係数を発生させて浮くことを防止させるという方法です。
このコツに関しても、「こんなに斜めで大丈夫?」と感じてしまう位に思い切っても大丈夫です。
水草の成長過程で、光に向かって成長する特徴がありますので、次第に自然な角度に勝手に成長してくれることでしょう。
ソイルは目の細かい物を
続いては、植え方の方法やコツではなく、水草を植える土台となるソイルの選び方について。
前述でもご紹介の通り、水草が浮いてしまう原因は摩擦係数が少ないことが理由となっていますので、できるだけ水草の植える部分とソイルが密着する必要があります。
その為には粒の大きなソイルだと、どことも接していない面積が大きくなってしまうので、可能な限り粒の小さなソイルを使う様にしましょう。
他のコツを試してみて、無理そうなら一部のエリアだけ粒の小さなソイルを加える様にしましょう。
追いソイルも効果的
4つ目の小技としては、水草の植栽後に上から追いソイルを行うという方法です。
というのも、水草を植える際には先の細いピンセットを利用することになりますが、それでも植栽した部分は少なからず圧力をかけてしまうので、周りの地表よりも少し凹んでしまいます。
そうなると斜めに植えたとしても、ソイルと水草の茎が接する面積が少なくなってしまうので、せっかく苦労して植えてもチョットした拍子に抜けてしまうのです。
なので、これを防ぐ為に植栽後に上から追いソイルを行う事で、ソイルの凹み部分を無くして水草をしっかりと押さえ込む様にしましょう
番外編:時間はかかるが確実な方法
以上が水草を植えた際に抜けて浮いてしまわない様にする為のコツと小技となります。
が、実は水草の植栽方法には他にも少し変わったアプローチ方法があったのです。
この方法は、通常の水草植栽よりも非常に時間がかかる方法となりますが、水草が浮いてしまうことをほぼ完璧に封じる事ができる方法なのです。
水草植栽後すぐに注水しない
その方法とは、こちらのyou aqua channelさんでも紹介されている「ミスト式」による水草植栽です。
このミスト式という方法は、水槽の立ち上げの際に水草を植栽し、その後しばらくは霧吹きで水草が根を張り巡らせるまで注水を待つという方法になります。
動画をご覧になればお分かりいただける様に、 この方法は立ち上げ時にのみ行える方法ですので、既に稼働している水槽では用いる事が出来ない手法となります。
そして何より、注水&生体導入まで数週間という期間を要しますので、かなり手間のかかる方法となりますが、それでも水草を綺麗に植栽する方法としては非常に効果の高い方法なのです。
種から育てる
また、同じくミスト式の方法の一つに、種から育てるという方法もあります。
もちろん、上記の水草のミスト式立ち上げよりも成長までに更に時間はかかりますが、緑の絨毯の様な水景にしたい場合は種子から育てたほうがソイル全体に満遍なく水草を行き渡らせる事が可能ですので、かえって完成は早くなります。
ただし、この方法の注意点としては、粒の大きなソイルで行うとソイル内部にまで根が到達する時間がより長くなってしまったり、根が一つのソイルを包み込む様に成長してしまい、注水後に浮いてしまう可能性があります。なので、この方法で水草を育てる場合は粒の小さなソイルを用いる様にしましょう。
また、2つ目の注意点としては、注水のタイミングが早すぎると根の張りが不十分で浮いてしまう可能性があるのです。また、注水に耐えられてもミナミヌマエビやヤマトヌマエビを投入する水槽であれば、彼らのツマツマ行動で簡単に抜かれてしまう可能性もあるのです。なので、可能であれば、根が2cm以上になるまで注水は待つべきでしょう。
まとめ
水草が抜けて浮いてしまわない様に植栽するには、深く斜めに植える事、そしてソイルは粒の小さな物を使用し、不安であれば植栽後に追いソイルを行う事で安定した水草植栽を行う事ができるでしょう。
また、ニューラージパールグラスの様に植栽が難しい水草の場合であれば、水槽の立ち上げ前という条件付きではありますが、ミスト式で植栽して育てる事で注水後に水草が浮いてしまわない様にする事が可能となります。
もちろん、縦に長い水草であればそこまで時間をかけなくても、上記でご紹介のコツと小技を駆使すれば問題なく植栽を終える事ができるでしょう^^
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