飼育が容易な熱帯魚として知られるアカヒレという淡水魚ですが、繁殖もある程度は放置状態でも行われる事もあります。
とはいえ、ある程度アカヒレの繁殖について把握しておかなければ、せっかく卵を産んだのに1匹も生き残れなかったという状況にもなりかねないのです。
そこで、ここではアカヒレの繁殖方法や繁殖に適した環境作りなどについてご紹介いたします。
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アカヒレの繁殖方法
まずは基本的な部分となりますが、アカヒレの繁殖方法について見ていきましょう。
熱帯魚の中には、稚魚の状態のまま出産するタイプだったり、水面に巣を作ってそこに卵を運搬して育てるタイプなど実に様々です。
これらに対して、アカヒレの繁殖の場合は卵を産むタイプとなります。
加えて、卵自体は水草やガラス面に生み付けるのではなく、その場でばら撒く様に産卵しますので、基本的にソイル(底)に落ちる事になります。
産卵後は、環境が整っていれば3日後くらいで孵化が始まりますので、ここで初めて稚魚の誕生となるのです。
孵化に最適な温度
アカヒレの卵ですが、いくら低水温に強い淡水魚だからといって、10℃台での水温ではなかなかに厳しいものがあります。
アカヒレの孵化に最適な温度としては26℃と言われていますが、多少増減ではそこまで大きく影響する事はありませんので、あくまでも目安としておきましょう。
なので、屋外もしくはヒーターなしの環境で飼育している水槽で産卵が始り、そのタイミングで急に外気温が下がってしまった場合は、一時的にでもヒーターの導入をした方がいいでしょう。
稚魚の餌について
次に、無事にアカヒレの孵化が完了して稚魚が生まれた際には、餌についても考える必要があります。
といっても、アカヒレは結構なんでも食べてくれますので、稚魚でも食べられるサイズで与える事に注意していれば、親魚と同じ餌でも食べる事が可能です。
ただし、稚魚の時点から人工餌だけで飼育すると成長が遅くなる原因にもなりますので、可能であれば別途ブラインシュリンプなどを購入しても良いでしょう。
アカヒレを自然繁殖に任せる場合
上記の通り、アカヒレの繁殖に関しては、特に人間側が特別何かを行わなければいけないという事はありません。
なので、放置状態でもアカヒレのオスメスが揃っていれば、勝手に繁殖を繰り返してくれる事になります。
ただ、ここで問題になるのが生存率です。
アカヒレを飼育している水槽の環境次第では、1匹も孵らない可能性があります。しかし、そこまで本格的にアカヒレを繁殖させたいという訳ではないという方は、ここから紹介する内容を参考にしていただければと思います。
アカヒレの卵は食べられやすい
なぜアカヒレが出産しても1匹も生き残れない可能性があるかというと、アカヒレの卵は孵る前に食べられてしまう可能性が非常に高いからなのです。
これは、他の熱帯魚と混泳させている場合はより高くなりますし、コリドラスの様な床面掃除の熱帯魚を飼育している場合は、アカヒレの産卵方法的に考えても絶望的でしょう。
更に悲しい事に、アカヒレ自身も卵を食べてしまうので、なんの対策も行わない場合は生存率0%になってしまうのです。
水草とソイルを植えよう
では、アカヒレの卵が全て捕食されてしまわない様にする為にできる対策として、非常にシンプルな方法があります。
それは水槽内にソイルと水草を導入しておくという方法です。
これを行う事で、全ての卵を守る事は出来ませんが、一定数の卵は運良く他の熱帯魚が侵入したり食べたりできない狭い隙間に入り込んで、そこで孵化する事が可能となります。
このソイルと水草作戦ですが、特に繁殖目的の水槽じゃない場合であっても整えている場合がほとんどですので、本気でアカヒレの繁殖を狙っていない方にとっては、一番自然に近い形で繁殖させる事ができる方法と言えるでしょう。
本格的にアカヒレの繁殖を行いたい場合
続いては、「最大限までアカヒレの稚魚の生存率を高めたい」といった場合に取れる繁殖方法についてご紹介しておきましょう。
なお、本格的に繁殖を狙う場合にはある程度、道具を揃える必要がありますので、そこも併せて見ていきましょう!
用意するもの
本格的にアカヒレを増やす場合には、とにかく卵が他の熱帯魚だったりアカヒレ自身に食べられる事を防ぐ必要があります。
なので、簡単な方法としては抱卵している親魚を別の水槽に移動させて、産卵したら親魚だけを移動させるという方法が挙げられます。
しかし、この方法の場合、稚魚水槽の方にもフィルターや場合によってはヒーターの設置が必要になりますし、稚魚水槽を設置するスペースも必要になりますので、あまり効率的ではないでしょう。
そこで、元の水槽内に稚魚だけを隔離できて、尚且つ卵が食べられない様な設計になっているセパレーターが必要になるのです。
親魚の移動のみで繁殖可能
これがあれば、元々と同じ水質・水温の環境で親魚に産卵させる事が可能ですし、産卵された卵はそのまま二重構造の底側に溜まり親魚や他の熱帯魚たちに触れられない場所で孵化を待つ事が可能となります。
つまりこの道具を用いれば、妊娠した親魚をセパレーターの丈夫に隔離し、産卵後に親魚を元の水槽に戻すだけで卵の安全を確保する事ができ、その後もおる程度にまで育つまでその場で飼育する事が可能となるのです。
まとめ
いずれにしても、他の熱帯魚よりも手の掛かる面倒な作業というのは、アカヒレの場合には見られず、むしろ普通もしくは簡単な繁殖方法と言える内容となっています。
ただ、あまりに環境を整えすぎると、今度は逆にアカヒレが増えすぎて水槽がパンパンになるという状況になる可能性も考えられますので、子育ては計画的に行いましょう^^
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