メダカを飼われている方、もしくはこれから飼われようとしている方の何割かの人は、屋外飼育で育てようと考えている方も多いかと思います。
実際、自然光はメダカの成長を促進させる効果もあるので環境としては問題ないのですが、屋外飼育にはいくつかの注意点が存在しているのです。
今回はそんなメダカの屋外飼育に潜むリスクについてご紹介いたします。
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温度変化に関する注意点
まず初めに気をつけるべきポイントは、メダカの屋外飼育による水温の変化についてです。
屋外ですので、当然室内の様に空調で温度を調整する事ができませんので、1日を通しての温度変化や急激な気候変動による温度差に影響される事があります。
直射日光が凶器になる事も
冒頭でも少し触れていますが、メダカは太陽光を浴びる事で成長促進や産卵しやすくなると言われています。
また、水中のバクテリアや水草の活性にも繋がりますので、基本的にメリットに繋がる事が多いです。
しかし、直射日光が強すぎて水温が異常な高音になってしまい、メダカが茹で上がってしまう可能性もあるのです。
特にコンクリの上にそのまま飼育ケースを配置していたり、水量が少なく外気温などにより急激に水温が変動してしまうような環境だと、思っている以上にポックリ逝ってしまう事もあるのです。
実際、我が家のベランダには2つの飼育ケースを設置していますが、過去には水量が少ない方の飼育ケース内の水温が40度近くまで上がってしまって、メダカが裏返って底に沈んでしまっていた事がありました。
対処方法
このリスク管理の方法としては、特に夏場で直射日光が当たる場所でメダカを飼育している場合は、遮光できるように簾(すだれ)をかけたり、わざと掛け布団などを天日干しして日陰にするという方法が挙げられます。
また、飼育ケース周辺のコンクリや壁に打ち水をして、周りから温度を下げていくという方法も可能です。
冬場は基本放置で大丈夫
温度関連で言えば、北日本で屋外飼育を行う場合に、冬場の低温により水面に氷が張ってしまうといった状況になる事があります。
一見すると、水が凍ってしまうとメダカも全滅してしまうと思われるかもしれませんが、野生のメダカもそうですが実はこれだけでは死んでしまう事はありません。
もちろん、もともと体調が悪い状態のメダカがそのまま冬眠に入ってしまうと、雪解け時期に落ちてしまう個体もいるでしょうが、健康なメダカであれば飼育水が凍った程度では死んでしまう事はありません。
ただしこれは夏から秋、秋から冬へとメダカに冬眠する準備期間があればの話となります。
なので、極端な例になりますが夏場〜秋にかけて屋内飼育をしていたのに、冬場になって急に屋外飼育に切り替えてしまうと、急激な水温低下にメダカが対応しきれずにそのまま死んでしまいます。
いくら生命力が強いメダカと言っても、急激な温度変化&準備ができていない状況での冬眠という環境には耐えられませんので、この点は注意が必要です。
雨に関する注意点
続いては、雨に関する注意点です。
酸性雨によるpHの変化
現在の日本で降る雨は基本的に酸性雨ですので、その雨がメダカの飼育ケースに降り注ぐと飼育水のpHも酸性に偏ります。
pHの変動はどれだけ雨が飼育水に入ったかにもよりますが、多少であればメダカの命を脅かす要因になる事はありません。
しかし、元々の飼育水が弱アルカリ性だった場合、そこに一気に大量の酸性雨が入ってしまうとpHの振れ幅もその分大きくなりますので、水質変化に耐えきれない個体は落ちてしまう可能性があります。
雨が止んだ後が重要
そんな酸性雨が上がり、メダカが1匹も死んでいないと安心してはいけません。
実は酸性雨による影響は、メダカに直接働きかける事は少なく、むしろ注意すべきは酸性雨によって死んでしまったバクテリアの死骸にあるのです。
屋外飼育を行っているメダカの飼育環境には、ほとんどの場合多くのバクテリアが発生しています。
このバクテリアは本来は飼育内にあるメダカの排泄物などから発生する有毒なアンモニアを窒素などに分解してくれる有益な存在です。
しかし、そのバクテリアが酸性雨によって死んでしまうと、そこから二酸化炭素が発生し水中の酸素量が低下、また死骸からアンモニアが発生、更にバクテリア死滅により水質浄化作用がストップしどんどん水質が悪化してしまうという負の連鎖が発生するのです。
そうなると、雨が上がったばかりの頃はメダカも元気ですが、どんどん水質悪化が進行して数日後に死んでしまうという事が起きるのです。
対処方法
雨水が大量にメダカの飼育容器に入ってしまった場合に、雨が上がった日に水換えを行うだけでかなり緩和されます。
前述でご紹介の通り、酸性雨による水質悪化はじわじわと進行するものですので、そこまで焦って行動する必要はなく、我が家で実践している感覚で言えば雨が上がってから2日以内に水換えを行なっていればメダカが死滅する事はありませんでした。
しかし、もともと青水だった飼育水が雨の翌日にはかなり透明になっている事から、確実に大量のバクテリアが死滅してしまっている事は間違いありませんので、急がなくても大丈夫ですが水換え自体は確実に行なった方がいいでしょう。
その他外的要因に関する注意点
メダカの屋外飼育には温度変化や雨などによる注意点以外にも、特殊な注意点があります。
もちろん可能性の話をすると、おそらく無限に考えられますので、今回は割とメジャーなケースや実際に経験がある話をご紹介します。
ヤゴによる捕食被害
夏から秋にかけてトンボが学校のプールや池などに卵を生み落としている光景を見た事があると思います。
良く見る光景ですので、特になんの害も無いように思えますが、これがメダカの屋外飼育の水中となると話は別です。
というのも、トンボの幼虫時代の形態であるヤゴがメダカを捕食してしまうのです。
その為、メダカの飼育容器の周辺でトンボを見かけた年の秋周辺は、飼育容器の中にヤゴがいないかチェックした方がいいでしょう。
けげ!?
あれトンボじゃね?(汗) pic.twitter.com/v1okgoeBzo— ハリー@アクアリウム (@harryaqua_jp) August 2, 2020
薬剤関連
以前の記事でもご紹介しましたが、我が家の屋外飼育のメダカは一度全滅の危機に直面した事があります。
メダカに殺虫剤がかかった!メダカを救う為に迅速に行うべき事
メダカの近くで殺虫剤を撒いてしまい、水面に薬剤の膜が出来てしまった場合、早急に対応しないとメダカが全滅してしまう危険性があります。 仮に離れた場所で殺虫剤を使っても、舞った少量の飛沫が水面に到達してし ...
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これに関しては完全に自分のミスではありますが、可能性としては隣の部屋の住民がベランダでGなどを殺虫剤を撒きながら追いかけて薬剤の飛沫が飛んできたり、マンションやアパートの管理会社が建物周辺の虫を駆除するために撒いた殺虫成分が飛んできたりと、色々なケースが考えられます。
来訪者による被害
我が家はアパートの1Fであるため、色々な来訪者がメダカの飼育容器にやってきます。
蜘蛛に野良猫さんに野鳥さん。
蜘蛛には過去に針子が捕食されてしまった経験がありますが、成魚は流石に捕まえられないようで、そこまで脅威はありません。
しかし、野良猫さんや野鳥さんに関しては来訪の理由が捕食ではないのですが、水で遊んだり水浴びされるので単純に散らかるので止めていただきたい(汗)
幸い、室内で飼っている我が家のハンター(猫)がベランダの音を察知して、窓越しではあるが早々に追い払うので大惨事になる事はありません。
まとめ
以上が、メダカを屋外飼育で飼う場合の注意点やリスクのご紹介となります。
ご存知の通り、メダカはかなり強い生体ですので、そう容易く死んでしまう事はありませんが、それでも完全放置できない状況に陥る事もあります。
なので、そこまで神経質になる必要はありませんが、対処が必要な場合は適した対応ができるようにしておくべきでしょう。
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