もはやアクアリウムの定番と言っても過言では無いネオンテトラ。
彼らは非常に安価な為、多くの方が水槽に導入される熱帯魚の一種です。
しかも、非常に丈夫な種類ですので、飼育に関しても設備さえ整えれば基本的に苦労する事はない生体となっています。
そこで、ここではネオンテトラの飼育の際に揃えておけばしばらくは放置でも大丈夫になる道具についてご紹介いたします。
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適度な大きさの水槽
ネオンテトラの飼育に必要なものの1つ目といえば、何と言っても水槽です。
熱帯魚ですので水槽が必要なのは当たり前ですが、ここで注目して欲しいのは水槽は水槽でも、適度な大きさの水槽であるという点です。
過密飼育ではネオンテトラが弱ってしまう
水槽に適度な大きさが必要というのは、ネオンテトラが自由に泳げるスペースの確保の為という理由もありますが、一番の理由は水槽が狭すぎてしまうと水質悪化が促進されてネオンテトラが弱ってしまうという理由のためなのです。
通常、水質の維持にはバクテリアという微生物が水中の有害物質を分解する事で可能となりますが、このバクテリアが生存可能な数は当然その水槽の大きさや設備によって決まってきます。
なので、小さすぎる水槽ではバクテリアの量自体も少なくなりますので、生物濾過(有毒物質の分解)能力も弱まってしまいますので、その環境下に大量のネオンテトラを入れて飼育してしまうと、徐々に水質が悪化してネオンテトラが少しずつ弱ってしまうのです。
水槽に適した匹数を飼育
では、具体的にどのくらいの大きさの水槽に何匹のネオンテトラの飼育が適しているのか、という点についても確認していきましょう!
この時に基準となる数字は水槽が何cmかではなく、水槽の水量が何Lであるかという点になります。
一般的な熱帯魚の場合は水量(L)の1/2の数字が導入可能な匹数となりますので、仮に12Lの水槽であれば6匹の熱帯魚を飼育する事が可能という計算になります。
しかしネオンテトラの場合は、他の熱帯魚よりも小さい個体ですので、水量と同じ数字の匹数を導入する事が可能です。
15cm水槽 | |
20cm水槽 | |
30cm水槽 |
過密飼育でも可能なパターン
この水槽にあった飼育可能な匹数に関してですが、あくまでも目安的な数字ですので、環境次第ではもっと多くの匹数を飼育(過密飼育)する事が可能です。しかし、その場合は前述の通り水質悪化が促進されやすい状況になりますので、通常よりも濾過能力を高める必要があります。そうなると、アクアリウム中級〜上級者向けの方法や少し高めの設備を揃える必要が出てきますので、基本的にはあまりオススメはできません。
もしくは、単純に水換えの頻度を上げて水中の有毒物質の含有率を下げるという方法をとる事になりますが、この場合は頻繁に作業が必要になりますので「半放置飼育」とは少しかけ離れた飼育方法となってしまいます。
濾過フィルターで水質維持
続いて、ネオンテトラを放置状態で飼育するために必要な道具としては、濾過フィルターが挙げられます。
この道具も基本的に熱帯魚全般の飼育の際には必要になる道具ですので、事前に調べられている方は既にご存知でしょう。ただ、濾過フィルターであれば何でも良いという訳ではありませんので、その点には注意が必要です。
物理的&生物的な濾過
そもそも濾過フィルターの水槽内での役割についてですが、前述の水槽でもご紹介の通り、水質の浄化作用を目的として装置となります。
ネオンテトラも生き物ですので、餌を食べますし食べた後は糞もします。そして、熱帯魚の飼育において、この糞をうまく処理できるかどうかが非常に重要なポイントとなります。
というのも、糞からは人間同様にアンモニアが発生し、これは熱帯魚にとっても有害な成分となりますので、水中のアンモニア濃度が高まればそれだけ熱帯魚にとっては好ましく無い環境となってしまいます。
そこで、活躍するのが濾過フィルターで、物理的に糞などの不純物を水中から取り除くという役割と、フィルター内に定着しているバクテリアにより有毒成分を分解し、その浄化水を水槽に戻すという作用によって、水槽内の水質を維持する事が可能なのです。
フィルターによる水流に注意
上記でご紹介の濾過フィルターの作用から、「フィルターは良い物を買おう!」と考え、小さな水槽に対して大きなフィルターを購入したいと思われる方も出てくるでしょう。
しかし、その気持ちは理解できますが、その選択はかなり危険なものなのです。
というのも、大型のフィルターは濾過能力が高いというのは言うまでもありませんが、それはつまり吸水量も吐水量も多いと言うことを意味します。
つまり、小さな水槽にその様な強力なフィルターを投入してしまうと、水槽内の水流が強すぎて洗濯機の様な状態になってしまうのです。
ネオンテトラは水流にはそこまで弱く無い熱帯魚ではありますが、流石にそこまでの激流になってしまうと、ものの数分で体力が奪われてしまい場合によっては数時間で絶命してしまう危険もあるのです。
なので、水槽に導入する濾過フィルターは、高ければ良いという訳ではなく、しっかりと水槽のサイズにあった規格のフィルターを用意する様にしましょう。
〜20cm水槽 | |
20〜30cm水槽 | |
30〜60cm水槽 |
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冬場には必須のヒーター
次にネオンテトラの放置飼育に必要な道具としては、ヒーターが挙げられます。
熱帯魚はその名の通り暖かい水域で生きている淡水魚ですので、日本の冬の気温では越冬する事ができません。
なので、ネオンテトラに限らずに熱帯魚の飼育の際には必須の道具とも言えるでしょう。
サーモスタット機能付きのヒーターがオススメ
このヒーターに関しては2つの注意点があり、そのうちの1つがサーモスタット付きのヒーターを購入するという点です。
このサーモスタットという機能は、水温を完治して自動でヒーターをON/OFFしてくれる機能のことですので、わざわざ人間が24時間水温をチェックして電源の抜き差しを行わなくても大丈夫になります。
水槽の大きさに合ったヒーター
2つ目の注意点ですが、ここでも重要になるのは水槽の大きさに合ったヒーターを購入するという点です。
ヒーターにも様々な規格が存在し、小型水槽向けのものや大型水槽向けのものなど非常に多くの種類が存在します。
なので、小型水槽に対して大型のヒーターを購入すると、ヒーターが作動した際にハイパワー過ぎて適温を大きく超えてしまう可能性があります。
反対に、大きな水槽に対して小型のヒーターを入れてしまった場合は、常時ヒーターが稼働している状態でも水量が多過ぎて一向に水温が上がらないと言った状況にも陥ってしまうのです。
〜15cm水槽 | |
〜45cm水槽 | |
〜60cm水槽 |
必須では無いがあった方が良い道具
以上が、ネオンテトラを半放置状態で飼育できる環境にする最低限の道具となります。
この3点を揃えれば見た目は殺風景になりますが、しばらくは餌やりだけでも飼育する事が可能となります。
ここからは、プラスアルファで揃えておきたい道具についてご紹介いたします。
照明
ネオンテトラは青と赤のラインが綺麗な熱帯魚ですので、基本的に観賞用として飼われる事がほとんどでしょう。
なので、そんなネオンテトラの発色をより綺麗に観察するためには、照明の設置が必要になります。
「室内の蛍光灯だけで良い」と思われる方もいるかも知れませんが、実際に見てみると蛍光灯の光だけでは水槽内は意外と暗くなりますので、基本的に照明の準備を行うことになるでしょう。
ソイル(土)
続いて、設置が推奨されるものとしては、ソイルという土にあたるものです。
このソイルがない状態でも飼育は可能ではありますが、やはりガラスの床が剥き出しの水槽よりも、ソイルが敷き詰められた水槽の方が景観が引き締まりますので、見た目をグッと綺麗に仕上げる事が可能になります。
更に、ソイルを敷く事でそこにもバクテリアが定着&増殖してくれますので、水質浄化にも役立つ事でしょう。
カルキ抜き
ネオンテトラの飼育に使用する水は、基本的に水道水を使うことになりますが、実はそのまま使ってしまうと水道水に含まれるカルキ(塩素)によって生体が死んでしまいます。
バクテリア もカルキで死滅します。
なので、水道水を使用可能な状態にするためにカルキ抜きという作業が必要になります。
このカルキ抜きは水道水をバケツなどに汲んでおき、1〜2日放置する事で塩素が抜けて飼育水として使用する事ができますが、かなり時間がかかってしまいますし、場所の確保も必要になります。
なので、個人的にはカルキ抜き溶液(100均で売っています)を1本準備されておく事をオススメします。
ネオンテトラは最低限の道具で飼育可能!
以上がネオンテトラの飼育に必要な道具の紹介となります。
ご紹介の通り、ネオンテトラは飼育が簡単と言われている熱帯魚ですので、最低限の道具さえ揃っていればしばらくは餌やりだけという半放置状態でも飼育が可能な生体です。
だからこそ、アクアリウム初心者の方でも熱帯魚に挑戦する際に取り組みやすい生体なのでしょう。
もし、これからネオンテトラの飼育にチャレンジしようと考えている方がいらっしゃいましたら、参考にしていただければと思います^^