熱帯魚やメダカなど室内でアクアリウムを設置している方の中には、水槽から匂いが発生してしまっている場合があります。
もちろん、水槽内には生体がいますので多少の匂いは出るものですが、その匂いが「臭い」と感じるレベルに達している場合も多々あります。
そこで今回は、そんな水槽の匂いの原因や対策についてご紹介しようと思います。
匂いの種類について
冒頭でも少し触れていますが、アクアリウムの水槽の中には魚やエビなどの生体が住んでいます。
加えて肉眼では確認できませんが、バクテリアなどの微生物も存在していますので、基本的に無臭の水槽というのは少ないです。
なので、そもそもの話ではありますが、どういった匂いは仕方ない、こういった匂いはNGといった部分の話を先にしようと思います。
墨汁?のような匂い
まずは、水槽の水面から墨汁の様な匂いの場合。
私も初めの頃はこの匂いが何の匂いなのか気になって仕方なかったのですが、この匂いに関しては水槽内の水質悪化やバランスが崩れたりしている訳では無く、単純にソイルの匂いが滲み出ているだけですので、特に心配される必要はありません。
もちろん、慣れれば一番良いのですが、それでもその匂いが気になるという場合には、後述でご紹介する方法で匂いを薄めると解消される事でしょう。
土?緑?の匂い
次に、非常に文字による表現が難しい匂いではありますが、土や緑豊かな場所で嗅ぐ様な自然臭に関しても特に問題はありません。
逆にそういった匂いがする水槽というのは、水質浄化作用を持っているバクテリアが存在している証拠でもありますので、むしろ水槽内の環境としては非常に良好な状態と言えるでしょう。
とは言え、そういった匂いであっても苦手だったり気にされる場合には、同じく後述でご紹介する方法で消臭することも可能です。
酸味臭がする匂い
そして3つ目に特徴的な水槽の匂いは、酸味臭の様なかすかに酸っぱい匂いがする場合。
この匂いに関しては、水質が悪化している証拠ですので何かしら対策をしないと、匂いが悪化する可能性もありますし水槽内の生体にも悪影響が出る可能性が高い状態にあります。
なので、「この匂いに耐えられる」と人間側が思っていても、水槽内の環境を整える必要があります。
水槽の匂いの原因
前述の墨汁や土の様な匂いに関しては、ご紹介の通りソイルの匂いや水槽内の環境に好影響を与えるバクテリアからくる匂いですので、全くもって問題はありません。
しかし3つ目に紹介した酸っぱい酸味臭の匂いが出ている場合には、その匂いの原因を排除しない事には匂いが治る可能性は低く、さらには生体にダメージが蓄積されて死んでしまう可能性もあるのです。
バクテリアが定着し切れていない
そんな匂いの原因としては、バクテリアが定着し切れていないという事が疑われます。
バクテリアは、水槽内の熱帯魚やメダカなどの糞尿に含まれる有害なアンモニアなどを分解する役割を持っていますので、このバクテリアが不足していると水質が徐々に悪化していってしまうのです。
もちろん、バクテリアが完全に0という水槽はかなり稀ではありますが、ここで肝心なのは生体の数とバクテリアの数のバランスです。
生体数が少ない水槽であれば、その少ない生体から生成される少量のアンモニアを分解できる程度のバクテリア数で大丈夫ですが、大量の生体が入った水槽ではやはり糞尿の量も増えますのでそれを分解し切れるだけのバクテリアの量が必要になります。
このバランスが崩れてしまうと、分解し切れなかったアンモニアなどが匂いの元となってしまうのです。
餌の過剰給餌も問題
そんなバクテリアですが、分解するのは何も生体の糞尿だけではなく、生体の餌の食べ残しなども分解対象にあります。
なので、餌の量が多過ぎて食べ残しが大量に水槽内に残ってしまっている場合は、その餌から栄養分が水中に溶け出して水質悪化に繋がる事もあります。
加えて給餌量が多くても、生体が頑張って全て食べ尽くしてくれたとしても、食べた餌の量が多ければそれだけ多くの糞尿が出てしまうので、これもまたバクテリアの浄化作用が追いつかなくなる要因にもなってしまうのです。
意外とこれが匂いの原因になっている水槽もあるかと思いますので、一度餌の量を調整してみるのも一つの手かと思われます。
水槽の匂い問題を解消する方法
それでは、ここからは水槽から発生している匂い問題を解消する方法についてご紹介いたします。
その方法は、大まかに分けて匂いの原因を断つ方法と、物理的に除去する方法との2通りの方法となります。
匂いの原因を断つ方法
まず一つ目の紹介する水槽の匂いを解消する方法は、匂いの原因を元から断つというものです。
前述でご紹介のソイルの匂いとバクテリアの匂いに関しては、元から断ってしまうと逆に水質悪化に繋がる可能性がありますので、ここでは水質悪化が原因であるバクテリア不足に焦点を当てた方法となります。
具体的には先に1/3ほど水換えを行い、水中のアンモニアや亜硝酸濃度を下げる様にしましょう。
それが済めば、次にバクテリアの添加です。
もちろん自然にバクテリアが増殖するのを待つという事も可能ですが、自然に増殖するのを待つとなると2週間ほど時間がかかってしまいますので、それであれば単純にバクテリアを水槽内に添加してあげれば「バクテリアの増加」という目的は即効で達成する事が可能となります。
あとは、添加したバクテリアが定着してしっかりと有害物質などを分解してくれれば、自然と酸っぱい匂いは収まってくるでしょう。
物理的に匂いを取り除く方法
続いては、物理的に匂いを取り除く方法について。
この方法では複数の手段がありますので、それぞれをご紹介しましょう!
2〜3日に1回の水換え
一番手っ取り早い方法かつ確実に匂いを減少させる事が可能な方法は、やはり定期的な水換えです。
もちろん一度に大量の水換えを行ってしまうと生体に大ダメージを与えてしまう事になりますので、1回で全体の1/3ほどの水量に抑える様にしましょう。
また、流石に毎日の水換えも生体にとっては負荷になりますので、せめて2~3日に1回の頻度で行う様にすると安全でしょう。
炭の導入
2つ目の物理除去方法としては、炭を導入するという方法です。
実際に私の自宅の水槽では取り入れた事はないのですが、周りではこの炭が意外と脱臭効果を発揮してくれると好評でしたので、匂いがひどい方にはオススメしたい方法と言えます。
未知数な方法「スプレー」
3つ目の方法としては、これまた私自身は実践した事がない方法であり、加えてその効果が未知数という方法となります。
それは、水槽の匂い様に開発されたスプレー式の商品を使うという方法です。
一応、商品の原材料的にも微生物や天然香料となっていますので、生体に影響は無さそうではありますが、如何せんファ○リーズのイメージが強いので使用するには少し勇気が必要になりますね^^;
まとめ
水槽から墨汁や土の様な匂いがする場合は水槽内の環境としては問題ありませんが、酸っぱい匂いがする場合は匂いの種類としても水槽内の環境としても良くない状態と言えます。
なので、そういった場合は水換えの頻度を高めてバクテリアを添加してやれば、基本的に匂い問題は改善する事が可能です。
ただ、あまりにも匂いがヒドい場合には、アクアリウム用の脱臭炭やアクアリウム用のスプレーで一時凌ぎをしながら、徐々にバクテリアを増やしていく様に進めていく方法が適しているでしょう。